武田乃梨子さんのインタビュー



現在、尾道市立大学2年生で日本画を専攻されている武田乃梨子さんです。

-コロナの影響はどうですか?
去年は、入学してからずっとオンライン授業で、9月がみんなと初対面でした。
また12月に自宅待機になったので、ほとんど学校には行けなくて、 制作は、きめられた期間で自宅で描いて、作品を写真を撮って、 先生にチャットで指導してもらっていました。

コロナで心に余裕がなくなるのが自分でも感じるくらいストレスがたまっていて、
やり場のない気持ちというか、なにをするにもやる気のない状態になりました。
生活リズムがすごく狂ってしまって、夜中に描いて、朝寝るみたいなことが多くなって、 体調を崩したこともあります。
自宅生活って大変だなと思いました。
今は、大学に通っているので、大丈夫です!

-今回のオークションに参加したきっかけは?
大学の掲示板に貼ってあるポスターを見て、友達(椋田サラさん)を誘って参加しました。

-日本画を専攻した理由は?
高校の選択講座でたまたま日本画を選んで 村田潤治先生がとてもやさしくて、先生への憧れからはじめてたんですが、
岩絵の具や画材の魅力を教えてもらって、日本画にのめりこんでいきました。
大学も当初デザインに進む予定だったんですが、受験直前に日本画に変更して、 今では、日本画にしてよかったと思っています。

-猫を描いた「陽だまりの円」について教えてください。
「陽だまりの円」は、自分でもお気に入りの作品です。
自宅で猫を飼っているんですが、その猫が外から帰ってくると、 とてもいい匂いがするんです。
お日様の匂いとか、土の匂いとか、花や草の香りもかすかにして。
ちょうどタンポポの季節でもあったので、タンポポと猫の匂いと、 あたたかいふわふわした感じを絵にしたいと思って描きました。

-「Swallow」について教えてください。
「Swallow」は、飾ってもらうことを目的にしてデザイン的に描きました。
最初、全体に箔を貼っていたので、暗い画面で描き始めたんですが、 飾ってもらうのなら、心が踊るような色にしようと考えて、 西洋のタイルのような明るい模様の上につばめを描いてみました。

-この絵は中国新聞社の紹介記事に載りましたね。
ほんとにうれしいです。
この作品は、タイルの間に見える箔の部分だけが光ります。
その箔の部分も硫黄で焼いてまだらになっていて、 光をあてると、そのまだらな部分が 光ったり光らなかったりして、自分でもきれいに仕上がったと思っています。

-つばめをモチーフに選んだ理由はありますか?
こんなにちっちゃい鳥なのに、大陸をわたって遠くまで飛べるし、 飛んでる姿もかっこいい。
自由な感じのイメージで、自粛中ということもあって、 つばめに憧れみたいなものも感じます。

-今回初期価格がとても安くて画材代にもならないのでは?
値段のつけかたがわからなくて(笑)
学校を通さずに自主的に作品を発表するのは今回初めてで、 手にとってもらえるだけでうれしいので、低めに設定しました。

-今後将来はどうですか?
就職に不安がありすぎて(笑)、 今のところ、大学院への進学しようと考えています。

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大学の掲示板で718アートオークションを知って、思い切ってエントリーしてくれたそうです。
一歩を踏み出す行動力に、ますます応援したい気持ちが大きくなりました。 インタビューに応えてくれて、どうもありがとうございました。(2021/7/18)