-作家名はなぜ「うさこまち」なんですか?
本名がよくある名前なので、ペンネームがほしいなと思って、考えていました。
ちょうと3代目のうさぎがなくなったあと、
4代目のうさぎを飼いたくて探していたのですが、なかなか巡り合えなくて、
「うさぎを待っている」という意味と「うさぎ小町」、とをかけて
「うさこまち」にしました。
-うさぎをテーマにシリーズで描こうと決めたのはいつ頃からですか?
うさぎをシリーズで描こうと思たのは、ここ7,8年です。
大学は日本画専攻だったのですが、それ以外に
イラスト系の通信教育を受けていて、
その時にうさぎをテーマにしたのがきっかけです。
その空間で生活しているうさぎ達の「場面」を描きたいと思っています。
-コロナの影響で生活や絵を描くことが変わりましたか?
コロナ禍の中、感染しないようにということばかり考えて、通勤や仕事をしていました。
絵を描く上では、美術館や動物園が閉まっていたり、スケッチにどこかに行こうと思っても
周りの目を気にしてしまって行きにくかったり、そういう点では、つらかったですね。
-作品「くね」は、どういうところからこんなポーズになったんですか?
はがきサイズの絵を描こうとおもって、、、
小さいのでどのくらいの情報をいれていいかわからなくて、
でも、単純明快にうさぎが「かわいい」っていう感じを描きたいと思いました。
その時に、そういえば、このまえ歩いてるときに見たあのトンネル面白かったなと思い出して、
そこにうさぎが同じポーズをしたらどうかな、と気軽な気持ちで描きました。
-日々の生活のなかでアイデアが浮かんでくるような感じですか?
そうですね。仕事しているので、スケッチもあまりいけないので、
日々の生活で、
この景色どうかな、とかいろいろ探しています。
-作品「奥の裏道」について教えてください。
もともと細い道とか、途中でくねくねしている階段とかが好きなんです。
あこがれというか、面白いなと思って。
そういうのをなんとか表現できないか、四苦八苦して描いたものです。
みちのくねくね感をだすために「消失点」がひとつにならないように、工夫しています。
-作品「お茶会」は、満月のお茶会がとても楽しい雰囲気ですね。
実はこの絵はあまり明るいイメージの絵ではないのです。
うさぎが死んじゃうと、「月に行ってしまいました」って、
言ったりするんですが、
死んじゃったうさぎが月に行って、地球を見ながら、
わいわいお茶会をしているのかなと想像しながら、
飼っていて死んでしまったうさぎを想って描いた絵です。
-日本画の画材でイラストの世界を描こうと思ったのはどうしてですか?
大学では日本画専攻だったのですが、日本画描いてますって言うと、
「浮世絵描いてるの?」とか、「水墨画専攻?」とか言われて、
それがとても悲しかったんです。
日本画って、歴史のある「日本の文化」なのに、当の日本人は、あまり知らない(笑)
「文化」って、頭のいい人や偉い人が大衆を引っ張るっていうのも、
もちろんあるんですが、
私は、みんなから湧いてきて、大衆の中で広がっていくのが
文化じゃないかなと思ってるんです。
漫画の先祖といわれる鳥獣戯画にしても、仏画にしても
プロが描いたというわけではなく、どちらかというと庶民の願望からわいてきたものです。
浮世絵にしても大衆が、役者さんの絵がほしいとか、旅行の絵が欲しい、みたいな
ところから生まれて発展した文化です。
なので、そういうところに自分も居たいと思っています。
日本画でイラストの世界を描くことで、
絵画としての日本画と、大衆文化としての日本画の橋渡しというか
そういうのができればなといつも考えています。
-絵を見てくださる皆さんに作品のどんなところをアピールしたいですか?
絵を観てくれた人が、
かわいいな、行ってみたいな、どんな所か見てみたいな、
と思ってくれるといいなといつも思っています。
-最後に、将来どういう絵を描いていきたいですか?
地道に描いていって、絵だけで生きていけるよう頑張っていこうと思っています。
もっともっとうまくなって、私の絵を見てくれた人が、一人でも多く感動してもらえるような
作品になるよう努力してゆきます。
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かわいいイラストを日本画の技法を使って描かれているうさこまちさん。
作品のやさしい感じとは対照的に、
もっともっとうまくなりたい、という絵に対する熱い思いが、
とても印象的でした。
お忙しいところインタビューを受けてくださって、どうもありがとうございました。
(2021/7/7)